団体交渉を弁護士に依頼するメリット
1 団体交渉を扱う弁護士は珍しい?
団体交渉の立ち会いを顧問弁護士に相談したら断られた,ということをたまに耳にします。
これは私の観測ベースではありますが,団体交渉(特に交渉の立ち会い)を好き好んで取り扱う弁護士はあまり多くいないようです。特に阪神間(神戸,西宮,尼崎,伊丹)あたり)では当事務所は,団体交渉を取り扱う珍しい(?)事務所ではないかと思います。
なぜ,団体交渉の立ち会いは弁護士から忌避されるのか?
正直なところを申し上げると,労使の交渉の立ち会いは,労使間の葛藤の度合いが強ければ強いほど,弁護士としては神経をすり減らすものです。
訴訟などの紛争に発展した場合も想定しながら慎重に言葉を選んで発言し,かつ,相手方の意向を聞きながら臨機応変に対応するためには,それなりの経験値や機転が必要です。ときには,ハッタリも必要です(笑)。
このように,団体交渉は,いわゆる楽して稼げる類型の業務ではないことが,弁護士が関与したがらない理由の一つでしょう。
ちなみに,私はああいった緊張感漂う雰囲気が嫌いではないので,なんとかやれているのかもしれません。
また,団体交渉を取り扱わない弁護士の中には,団体交渉は労働条件についての労使間の「協議」であり,紛争解決を本来的業務とする弁護士が介入すべきではない,といった信念が根底にあるのかもしれません。
もちろん,そういった信念については否定するつもりはありませんが,多くの経営者は労働組合やユニオンとの交渉に不安を持っているのもまた事実です。
弁護士が関与しないことで,団体交渉の際,会社側が自ら不利な発言をしてしまったケースや,それとは逆に,あまりにも強固な姿勢を取るあまり解決の機会を逸してしまうケースも多く見てきました。
私としては,団体交渉の場面において,弁護士のアドバイスが企業にとって大きな武器になると考えていますし,また,弁護士の関与によって健全な労使関係を実現できるとも考えていますので,大変やりがいのある仕事だと思っています。
2 団体交渉を弁護士に依頼するメリット
団体交渉について,当事務所では,①団体交渉への出席,②経営陣との水面下での打合せ,③回答書等の起案といった形で支援しています。
団体交渉の相手方である労働組合やユニオンは,法的知識や交渉力に長けている場合も多く,手強い存在です。初動で対応を間違えてしまえば会社として大きな損失を生むことも少なくありません。
法的知識のないまま,労働組合等に立ち向かうのは非常に危険であるといえます。
団体交渉において,弁護士が関与するメリットとしては,
・労働組合・ユニオンの交渉ペースに巻き込まれない
・労働法の理解をベースにした冷静な話し合いができる
・専門家が味方につくことで精神的な不安がなくなる
といったところでしょう。
3 団体交渉の流れや,注意点などについてはまた改めて書きたいと思います
労働組合等から団体交渉を申し入れられても,慌てる必要はありません。
もし,少しでも不安があれば,ぜひ一度,弁護士の法律相談を受けてみてください。